ただ、いくつか条件があるので、お通夜、葬儀、告別式で、男性・女性ともどんな腕時計なら大丈夫なのか、選び方や注意点をお伝えします。
いざという時のために、マナーを事前に把握しておきましょう。
こんな疑問に答えます
- 葬儀の時に腕時計をつけていいのか
- お通夜・葬儀の時に身につける腕時計の条件
- 葬儀の時にふさわしくない腕時計
- スマホやスマートウォッチは使えるのか
Contents(目次)
葬儀の時の腕時計マナー
葬儀の時、腕時計を持っていないなら、あえて身につけなくても構いません。
なぜなら、葬儀は悲しい場、故人を偲ぶ場なので、アクセサリーも必要最低限で問題ないからです。
だけど、儀式の間、スマホで時間を確認するわけにもいかないので、少しの間我慢しましょう。
もし、腕時計を複数持っている場合、もしくは、時計を身につける必要がある場合は、以下の記事を参考にしてもらえればと思います。
先ほど、冒頭で伝えた通り、実は、葬儀の時、腕時計をしてはいけないというルールはありません。
時刻を確認するという実用的な意味があるため、葬儀の時でも、腕時計を身につけても構いません。
お坊さんでも腕時計を身につけているくらいですからね。
では、どのような腕時計なら葬儀という場にふさわしいのか、失礼にあたらないのか説明していきます。
葬儀につける腕時計6つの選ぶポイント
葬儀に身につける腕時計は、できるだけシンプルで光沢の控えめなデザインを選びましょう。
葬儀では、ツヤ感のある光沢のある服装、バッグなどの小物も避ける必要があります。
また、葬儀という厳粛で悲しい場で、ジュエリーがついていたり、パッと視界に入ってしまうような華美な腕時計は浮いてしまいます。
故人を悼む場に適した腕時計ではありません。
具体的に、葬儀に身につける時、気を付けたい腕時計のポイントは6つ。
- 色
- 形
- ベルト素材
- 文字盤
- 針
- ケース
腕時計ではなく懐中時計を持って行っても構いません。なかなか、今の世の中、懐中時計を持っている方は、そうそういないと思いますが。
もし、懐中時計を持って行く場合は、シルバー色にして目出ちすぎる色は避けましょう。
訃報は、突然訪れたりするものです。仕事でも、急にお通夜に出席しなければならない場合もあります。
慌てることのないよう、前もって腕時計のポイントやマナーを把握しておくと安心ですね。
葬儀でも着用可能な腕時計の色
葬儀に身につける腕時計の色は、地味な色を選ぶようにしましょう。
- ベルト部分なら、黒色かステンレススチールのシルバー色。
- 時計の文字盤部分なら、白色(シルバーでも可)か黒色。
ゴールド(金色)は、避けたい色になります。というのも、どうしても、華やかな印象を与えてしまうからです。
ピンクゴールド×ステンレススチールのベルト素材の場合もあるかもしれません。
黒革ベルト×ゴールドのベゼル(腕時計ケースの外周)の場合もあるでしょう。
厳密なゴールド色ではないとしても、ゴールドの入った色は、目立ちやすいので、弔事では避けるようにしましょう。
また、カジュアルな印象を受ける色、鮮やかな原色(赤・緑・黄色・青)といった色も、厳かな場にふさわしくないので気を付けてくださいね。
葬儀でも着用可能な腕時計の形
一番無難なのは、オーソドックスな丸いラウンド形の腕時計ですが、正方形のスクエアタイプや、長方形のレクタンギュラータイプの腕時計でも大丈夫です。
- 丸い形
- 四角(正方形・長方形も可)
葬儀でも着用可能な腕時計の素材・メタルバンド
腕時計のベルトの種類も沢山ありますが、葬儀で失礼に当たらないベルトの種類は、次の2つです。
- 黒革ベルト
- メタルバンド(金属ベルト)
どちらの方が好ましいかというと、「黒革ベルト」です。
革素材は、お葬式だと「殺生」を連想させるため、NGだと言われています。ですが、葬儀の場合は、黒革に限りマナー違反にはなりません。
今や、革といえば、腕時計のベルトだけでなく、バッグや靴にも使われているので、全て革製をタブーとすることはできないんですよね。
時代に合わせて、冠婚葬祭のマナーも変わりつつあるんです。
ただし、革には、ツヤがあるものと光沢が目立たない革ベルトがあります。弔事で身につけるなら、光沢が控えめな黒革ベルトがおすすめです。
また、もう一方で、みなさんが一番持っているベルトといったら、メタルバンドですよね。
メタルバンドとは、金属ベルトのこと。
一般的に普及している腕時計のベルトはメタルバンドなので、メタルバンドの着用については、弔事においてマナー違反ではありません。
できれば、お通夜、葬儀では、なるべくマットで光沢の目立たないシルバーのベルトが良いでしょう。
ステンレススチールやチタンなどの腕時計で問題ありません。
ですが、ラバー(ゴム製)ベルト、ナイロンベルトや布製のベルトはカジュアルな印象になるので避けましょう。
葬儀の腕時計は白黒シルバー文字盤
文字盤は、白か黒の腕時計を選びましょう。
葬儀=黒というイメージがあり、黒文字盤が当たり前と思うかもしれませんが、どちらがフォーマル度が高いかというと「白」です。
一般的には、白の文字盤をした腕時計をしている方が多いです。
白>黒>シルバーというフォーマル度合いですね。
黒革ベルトかシルバーのメタルバンドにも似合う、そして、弔事という場にふさわしいシンプルな腕時計というところから、白か黒文字盤が主流です。
男性は、白シャツを着るところから、白い文字盤を、女性は黒い喪服を着るところから黒い文字盤の腕時計の方が、喪服と腕時計の一体感がありますし、コーディネートという観点から見ても似合うと言えるでしょう。
ただし、注意点があります。
- 派手な色の文字盤を選ばない
- ジュエリー付きの文字盤は避ける
文字盤が赤、青、派手な色をした腕時計は、ファッション性の強い腕時計に当たります。
また、文字盤のインデックス(時刻を表す数字部分)がダイヤ付きのものもありますよね。
宝飾加工されたキラキラして華やかな腕時計は、葬儀の場にそぐわないので、避けるように気を付けましょう。
葬儀でも着用可能な腕時計は2、3針
葬儀では、2針か3針タイプの腕時計を選びましょう。
3針とは、長針、短針、秒針のこと。
もちろん、カジュアルな印象を与えてしまうデジタル時計ではなく、アナログの腕時計を選びましょう。
日付窓も小さい方がいいですね。
デジタルが全て悪なのではなく、デジタル時計だとプラスチック製、大きめでカジュアルな印象を与えてしまうからなんです。
また、インデックス(時計の時刻を表す数字)も、ローマ数字やアラビア数字など色々種類がありますが、カジュアルな印象を与えないインデックスの腕時計の方が好ましいです。
葬儀で着用可能な腕時計のケースは薄くて小ぶり
腕時計のケース(文字盤を覆っているカバー部分)は小ぶりで薄い方がベターです。
大きいと、どうしても時計の存在感が強く出てしまい、カジュアルな印象を与えてしまいます。
例えば、カレンダーや月齢など多機能だとケースが分厚くなってきます。
ケースが分厚いとカジュアル感が出てきてしまい、袖口にも収まりにくくなってしまいます。
葬儀の場では、シンプルな腕時計の方が好ましいので、ケースが薄いタイプ、小さいものを選ぶようにしましょう。
クロノグラフの腕時計は葬儀では避けた方が無難
クロノグラフとは、ストップウォッチ機能のついた時計。
時刻合わせのリューズボタンの上下にスタートやリセットボタンがあったり、文字盤に、小さな円形の時計(インダイアル)が描かれている腕時計です。
わざわざ、他人の腕時計にそこまで目を配っている方はいないと思いますし、「クロノグラフでもいいよね。そこまで気を遣う必要ないでしょ。」という意見もあります。
ですが、あえていうなら、葬儀はシンプルな時計で十分なので、クロノグラフの腕時計といった多機能な腕時計の必要はありません。
スポーティでカジュアルなクロノグラフ機能の時計は、ケース部分も大きくなってきたり厚みも出てくるので目立ちがち。避けた方が無難でしょう。
葬儀で腕時計の代わりにアップルウォッチは使えるか
スマートウォッチは、スマホと連動することで、様々な便利機能を搭載した身につけて持ち運べるウェアラブル端末のこと。
心拍数やメールの通知、決済機能、音楽再生、GPS機能がついたりと、多機能でスマホをバッグからわざわざ取り出す必要がないぐらい。
ビジネスシーンでは、アップルウォッチなどのようなスマートウォッチが浸透してきています。
そんなスマートウォッチといったデジタルガジェットは、マナーや伝統を重んじる場に、ふさわしくないという声もあります。
このスマートウォッチを葬儀の場で身につけても良いかは、葬儀が行われる地域や御遺族の人柄、故人を考慮して決めると良いでしょう。
まだ、スマートウォッチをスマホと同じような存在として捉えているのであれば、葬儀前に予め外しておくというのも一つの方法です。
ですが、スマートウォッチをお葬式でもつけても問題ないという意見もあります。
そういった場合は、次のようなスマートウォッチにすると失礼がありません。
- 黒を基調とした色のスマートウォッチ
- 黒革ベルト
- 文字盤の色は地味め
- 通知機能をオフにしておく
昨今、一見スマートウォッチと分からないものもありますし、エルメスなど高級ブランドとコラボしているものもあります。
葬儀の際は、スマートウォッチの選び方だけでなく、バイブの設定や、音が鳴らないようにといった使い方にも気を付けてくださいね。
その他 葬儀に避けた方が良い腕時計
弔事に身につけていく腕時計は、シンプルで目立たないのが基本。
そのため、目立ちすぎる色、宝飾がついたデザイン、自己主張をしている大きめな腕時計は、葬儀という場にふさわしくないということが分かりました。
高級ブランドの腕時計でも、ジュエリーがあって目立つものと、目立ちにくいものがあります。
目立つものであれば避けておきましょう。
- 華美な腕時計
- 目立つ高級時計
- カジュアルな腕時計
かといって、逆に、G-SHOCKのようなカジュアルすぎる大ぶりなデジタルウォッチは避けた方が無難です。
ダイバーズウォッチ、パイロットウォッチといったスポーツウォッチやミリタリーウォッチも避けた方が安心です。
また、スマホを腕時計代わりとして使えません。
葬儀が始まる前に、電源を切ってバッグにしまっておきましょう。
お通夜の時の腕時計は葬儀の時と同じ
急な訃報を聞いて、葬儀(告別式)は参列できないので、お通夜だけ出席する場合もありますよね。
お通夜の時の腕時計の選び方も、葬儀の時と同じです。
ですが、急に聞いたものだから、弔事にふさわしい時計を持ち合わせていなかったという場合は、会場に着いたら、バッグやポケットにしまっておきましょう。
因みに、女性で洋装の場合、結婚指輪やパールの一連のネックレス、イアリング以外は、アクセサリーはつけないこととなっているので、腕時計を身につけていなくても不自然ではありません。
葬儀に腕時計を着けた時のマナーについて
まず、お通夜、お葬式の時に気を付けたいマナーとして、儀式中に腕時計に時々視線をやって、時間を確認するのは止めましょう。
(葬儀場には、壁掛け時計がないことが多いため、お坊さんは腕時計をしていますが。)
腕時計でも、スマートフォンでも同じことが言えます。
ご遺族や他の参列者からも、「早く帰りたいのかな?。」と思われるかもしれませんし、スマートフォンの場合、「メールチェックやLINEでも見てるのかな?。」と誤解されるかもしれません。
故人を悼む場なのに、故人に想いを馳せることなく心そこにあらず状態だと、その人の教養や常識まで疑われてしまいます。
葬儀の時に腕時計が他の参列者やご遺族側に見られる可能性があるシーンは、
- お焼香をしている時
- 記帳をしている時
席の位置からすると、ご遺族側からは全体が見渡せます。
葬儀の間、ご遺族が、全体を見渡すような気持の余裕はありませんが、失礼のないように時間を確認するために袖をめくったりしないように気を付けましょう。
もし、身につけていく腕時計に不安があるなら、目立たないようお焼香をする利き手とは反対側の腕に時計をつけるという方法があります。
もしくは、外して、数珠とは別のポケットに入れておくというのも一つの方法です。
お通夜から葬儀告別式での腕時計マナーを守ろう
葬儀で身につけていっても大丈夫な腕時計について紹介しました。
基本的には、シンプルで光沢の控えめなデザインの腕時計を選ぶようにしましょう。
- 白か黒の文字盤
- 円形・四角形
- ケースは薄く小さめ
- 2、3針のアナログ時計
- 黒革ベルト・メタルバンドで光沢控えめ
シンプルなので、ビジネスユースで使っている腕時計があれば、それで間に合うことも多いでしょう。
ですが、持っていない場合は、わざわざ身につけなくてもよいので、葬儀中は時間を確認するのは我慢してくださいね。
葬儀でマナー違反をしてしまうと、その人の人柄、人格も疑われてしまいますからね。
腕時計は、ファッション性の高いジュエリーウォッチもあれば、実用的な腕時計もあります。
お葬式という場で、故人に感謝や敬意、追悼の意を表すためにも、TPOに合わせた実用的な腕時計を選びましょう。